第40回の学習会は、目指す子どもたちの姿に近づくための手立てとして、ICTをどう活用していくかについてお二人の素敵な実践から学ばせていただきました。

 まずは熊本大学教育学部附属小学校の上原正士先生に、音楽の授業を中心とした実践発表をしていただきました。

 鍵盤ハーモニカの練習などで、音楽が苦手な子どもたちにとって、いきなり「演奏できるまで練習してみよう!練習あるのみ!」と言われても厳しいですよね。しかし、上原先生はまず頭の中でリズムが流れるようになること、そして、それから鍵盤の練習に入っていくことが大切だと話されました。このような苦手な子どもたちにとっても無理のないスモールステップの学習に、ICTは欠かせません。ICTには,子ども自身が必要に応じて,何度も見たり聴いたりすることができる良さがあることを改めて実感できました。

 次に、熊本市立城北小学校の井手尾美樹先生から特別支援学級でのICT活用について発表をしていただきました。

 井手尾先生からは、さまざまな実態がある子どもたちの認知的な特性を考慮しながら目標に到達するための授業デザインを考える上で、ICTが重要なツールになるというテーマでお話をしていただきました。文章を書くことが難しい子どもたちに、一度プログラミングアプリを使い、動画として頭の中のイメージ表現する手立てなどについて教えていただきました。また、その活動が最終的な単元の目標とズレがないかなど、子どもたちに丁寧に寄り添いながら授業づくりをされている姿が印象的でした。

 お二人の発表の後、参加者の先生方でしばらく授業UDとICTを結びつけるポイントなどについて話していただき、最後に熊本市教育センター指導主事の前田浩志先生にまとめのお話をしていただきました。

 参加者の先生方から出された意見をもとに、発表者のお二人に質問されながらまとめをしていただきました。特に、情報活用能力の系統的な学びの積み重ねについてのお話が心に残りました。各教科と同じように、情報活用能力についても学年ごとにつける力を明確にして、学校全体で取り組んでいくことが重要であるということを改めて感じました。

 今回も全国から、多くの先生方にご参加いただきありがとうございました。次回の学習会は、来年2月を予定しております。準備が整い次第、URLから申し込みを始めます。是非たくさんの方のご参加をお待ち致しております。