くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会の第9回研究大会は、「授業UDで目指す『主体的・対話的で深い学び』~ユニバーサルデザインの視点に基づく指導方法の追究~」というテーマで開催します。

公開授業を行う御船中学校では、「中学校にこそ授業UDを」との理念の下に、「すべての生徒が楽しく『わかる・できる』授業」に基づく「より深い学び」に向けた取組を進めています。

研究会当日は、「日本授業UD学会」理事長の桂先生をはじめとした著名な講師及び助言者をお招きし、「授業UD」の可能性を発信したいと考えています。多くの皆様のご参加をお待ちしています。

なお、本大会は、御船中学校「平成28・29年度御船町教育委員会指定『学力充実』研究発表会」との合同開催です。

申し込み http://www.kokuchpro.com/event/bba96d4c530717ef70425ef40fcd24b1/

講師・研究協力者 紹介

日本授業UD学会  桂   聖(かつら さとし) 理事長

明星大学      小貫  悟(こぬき さとる) 教 授

福岡教育大学    礒部 年晃(いそべ としあき)准教授

筑波大学附属小学校 盛山 隆雄(せいやま たかお)教 諭

日 程

9:00 受付

9:20 全体会

9:45 公開授業 (授業者御船中学校職員

10:45 授業説明 (説 明御船中学校職員

11:15 「数学」公開授業

授業者:筑波大学附属小学校 盛山 隆雄 教諭

~昼食休憩~

13:00 授業UDフォーラム in 御船

御船中学校の研究概要をもとに「授業UD」を協議 

14:00 授業UDシンポジウム in 御船

講師、研究協力者による講話や提案等

16:20 閉会行事

後 援  熊本市教育委員会 御船町教育委員会    熊本県特別支援教育研究会

資料代 : 2,000円

その他 : 駐車場に限りがありますので、できるだけ乗り合わせのうえ、ご来場をお願いします。悪天候、災害等やむを得ない事情の場合には中止することがあります。その場合には、本研究会HPでお知らせします。

申込み : 以下のいずれかの方法でお申し込みください。

①こくちーずで

②御船中学校から1月上旬に配布予定の研究案内(第二次)により以下の宛先にFAXで

たくさんのご参加をお待ちしています。

こくちーずからの申し込みはこちらから↓

http://www.kokuchpro.com/event/bba96d4c530717ef70425ef40fcd24b1/

チラシのダウンロード↓

第9回研究大会チラシ

お問合せ

【問い合わせ】

くまもと授業UD研究会事務局(御船町立御船中学校)

下城 秀樹 TEL 096-282-0002 FAX 096-282-1591 Mail:ud_kumamoto@outlook.jp

 

授業が始まってすることといえば、1分半の黙想です。
落ちついて学習するためです。
目を開けると、本時のメニューを確認します。1時間の中ですることを箇条書きで示して、子どもたちと確認するようにしています。

国語であれば、たいてい音読からのスタートです。12月にもなると、子どもたちは「最初は音読でしょ。」と得意げに言ってくるようになりました。

私は、主体的な学びのスタートである、だれでも安心して参加できる授業づくりを日々心掛けています。
例えば、選択肢のある問いからスタートして、挙手によって意思表示させることや、発表する時みんなが見えるところに立って発表するルールの定着や、物語の順に挿絵を並び替えるといったUDの技法の利用など、できるところから取り入れています。

私自身、授業UDについての学びはまだまだですが、授業づくりがある程度パターン化されて授業者にとっても子どもにとっても分かりやすい授業展開になっていくことで、だれもが「わかる・できる」準備ができたと言えると思います。

                     菊池市立旭志小学校 皆吉美香

見方・考え方は「働かせる」もの  山田光太郎

 

現在特別支援学級の担任をして5年目になります。それまでは通常学級の担任をし、算数科研究を中心に実践を積み重ねてきました。

先日、くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会の学習会で実践発表をさせていただく機会があり、これまで13年書きためた教育論文を見直すことから始めました。

6年前の自分の論文から、6年生の「資料の特徴を調べよう」という単元で、自分の発問と子どもの反応を9時間分まとめた実践がまず初めに目に留まりました。「言語活動の充実」が求められていた頃でした。発問の実践なのに、視覚化の努力をおしまなかったなあと、板書の写真を見直してみて感じたところです。

研究主任をしている関係で、現在勤務している学校で7月に算数授業UDの提案授業を通常学級で行いました。4年生の3けた×3けたのかけ算の筆算です。

その頃、私は算数・数学的な見方・考え方は「身に着ける」ものと考えていたので、山場にたどり着くまでに押さえておきたい用語や学習内容をていねいに共有化していきました。その結果、教師と子どもとの1対1の学習が長引き、時間も足りず、結果だらだらとした授業になってしまいました。

9月に日本UD学会の全国大会に参加しました。プール学院大学の、石塚謙二先生の基調提案の中で、教科の本質は、「見方・考え方」の深化であり、「見方・考え方」は単に身につけるだけのものではなく「働かせるもの」とありました。それを聞いてとてもはっとさせられました。そして、新指導要領を改めて読みなおしてみると、やはり「働かせる」とありました。

そこで、9月にもう一度4年生の面積で授業をさせてもらいました。1㎡は何㎠かということを考える学習です。1mは何㎝かとか、余計な押さえをせず、3人グループに1枚、実際の広さの1㎡(1cm幅の縦横の罫線をいれたもの)を配り、調べさせてみました。「こことここをかけて~」とか、「たてが100こになるはずだから~」とか、子どもたちは実際の1㎡に1㎠がいくつあるのかを算数・数学的な見方・考え方を「働かせ」ながら学び合い、全員が1㎡が10000㎠だという結論にたどり着くことができました。私が余計なことをしゃべらなくても、子どもたち同士で論理的に話し合って学習を深めていました。

見方・考え方を「働かせる」という視点で授業をデザインしたら、必要な手立ても最小限にとどまり、授業がシンプルかつ、全員参加型・全員満足型に向かっていったような気がします。

これまでの実践を振り返り、実践を積み重ねれば積み重ねるほど、UDの視点は教科の本質にせまるために欠かせないものと感じています。また、現在特別支援学級を担任し、これまでの自分の授業のあり方について改めて見直す日々です。

         「研究授業の前時がうまくいく理由」         
                               若葉小 井上伸円

 研究授業の前日に、授業者からよく聞く言葉。
「あー、今日が本番だったらよかったのに・・・」
 もちろん私も、よく口にした言葉です。そんな時は、たいてい本番の研究授業がうまくいかない。なぜ、この現象は起こりがちなのでしょうか。
 やはり、本番の授業はギャラリーもいますし、子どももいつも通りではないでしょう。授業者は肩に力も入り、前のめりになりがちで、子どもの声をしっかり聴くことができないこともあるでしょう。それに比べると前時の授業は授業者も子どももいつも通りの力が発揮できるでしょう。しかし、前日の授業が上手くいくのは案外、次のような理由からではないでしょうか。
○ 前日の授業は、本番を控えているので教師が欲張らない。
○ 前日の授業では、(教師が)学習が先に行き過ぎることを嫌い、今、子どもがどんな考えをもっているか探ろうとする。
 結果、授業が自ずとシンプルになります。また、教師が子どもの言葉にしっかりと耳を傾け、根拠を尋ねたり、ほかの子どもに問い直したりしながら児童の考えが吟味されます。
 一方、本番の授業はどうでしょうか?
○ あれもこれもと教師が欲張ってしまいがち。
○ 指導案に書いた授業のゴール目指して、教師は前へ前へと学習を進めがち。
 前時の授業で出された良い考えも紹介したいし、これまでの学習も振り返りたい。気がついたら本時の課題が提示されるまで20分が過ぎていた。普段はやらない「振り返りシート」も書かせなきゃならないから、どんどん教師が学習を進める。期待する答えが出ないために発問を連発。でも、板書だけはいつもより見栄えがよかった・・・。
 こんなことにならないためにも、授業に挑む際にudの授業づくりの視点を意識し「子どもと共に授業を創る」という教師の願いを高めていきたいものです。でも、研究授業になると、なかなか子どもの言葉をじっくり聴けないし、欲張っちゃうんだよなー。

くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会第13回目の学習会は、

日吉小学校の山田光太郎先生による実践発表:『算数授業のUD実践』~どの子も楽しく「わかる・できる」達成感のある算数の授業を目指して〜

算数の授業づくりワークショップ:「全員満足型算数の授業づくり」を行なっています。

遅い時間にもかかわらず多くの先生方に参加していただいています。

今日もみんなで一緒に学びたいと思います。

くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会第13回目の学習会は,「どの子も楽しく「わかる・できる」くまもとUD 授業のデザイン~全員参加型から全員満足型授業の追究~」というテーマで算数の授業についての実践発表と,授業づくりワークショップを行います。本研究会では,目の前の子どもから始まる「生きた授業」や「実感」を大切にした授業の積み重ねを通して,授業者も学習者も,生涯にわたって主体的に学び続けることができる“アクティブ・ラーナー”の育成を目標としています。たくさんのご参加をお待ちしています。

平成29年11月14日(火)熊本市情報流通会館第5研修室 熊本市南区流通団地1丁目2

18:30 受付

19:00 開会

19:05 実践発表

   『算数授業のUD実践』 

~どの子も楽しく「わかる・できる」達成感のある算数の授業を目指して~

発表者: 日吉小学校  山田光太郎

19:30 質疑と協議

19:50 算数の授業づくりワークショップ 「全員満足型算数の授業づくり」

20:40 まとめ  熊本大学教育学部准教授 菊池哲平

21:00 閉会

参加費:500円

定員 :24人

その他:悪天候、災害等やむをえない事情の場合には中止することがあります。

その場合はHPでお知らせします。

QRコードからもこくチーズに入れます。

 

こくちーずでの申し込みはこちらから…

http://www.kokuchpro.com/event/4b45d446d5556dfd33da6f6966427f82/

 

チラシPDF→第13回学習会

くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会第13回目の学習会は,「どの子も楽しく「わかる・できる」くまもとUD 授業のデザイン~全員参加型から全員満足型授業の追究~」というテーマで算数の授業についての実践発表と,授業づくりワークショップを行います。本研究会では,目の前の子どもから始まる「生きた授業」や「実感」を大切にした授業の積み重ねを通して,授業者も学習者も,生涯にわたって主体的に学び続けることができる“アクティブ・ラーナー”の育成を目標としています。たくさんのご参加をお待ちしています。

平成29年11月14日(火)熊本市情報流通会館第5研修室 熊本市南区流通団地1丁目2

18:30 受付

19:00 開会

19:05 実践発表

      『算数授業のUD実践』 

            ~どの子も楽しく「わかる・できる」達成感のある算数の授業を目指して~

       発表者: 日吉小学校  山田光太郎

19:30 質疑と協議

19:50 算数の授業づくりワークショップ 「全員満足型算数の授業づくり」

20:40 まとめ  熊本大学教育学部准教授 菊池哲平

21:00 閉会

参加費:500円

定員 :24人

その他:悪天候、災害等やむをえない事情の場合には中止することがあります。

その場合はHPでお知らせします。

QRコードからもこくチーズに入れます。

こくちーずでの申し込みはこちらから…

http://www.kokuchpro.com/event/4b45d446d5556dfd33da6f6966427f82/

チラシPDF→第13回学習会

明日は、くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会第8回研究大会です。
台風が心配されましたが、無事、開催いたします。皆さんの参加をお待ちしています。
今回は「道徳授業のユニバーサルデザイン~全員が楽しく「考える・分かる」道徳授業づくり~」の本を出版されている坂本哲彦先生と桃崎剛寿先生(白川中学校校長)を講師にお迎えします。荒尾市立万田小学校で、今村隆教諭(万田小学校)による公開授業も行います。
みなで学び合いましょう。今回は初めての熊本県北部での開催です。福岡県からの参加もお待ちしています。申し込みはコクチーズからお願いします。
http://www.kokuchpro.com/event/b88192d9958e1cf3b4bee232e0c52fe3/

くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会第8回研究大会が近づいてまいりました。
今回は「道徳授業のユニバーサルデザイン~全員が楽しく「考える・分かる」道徳授業づくり~」の本を出版されている坂本哲彦先生と桃崎剛寿先生(白川中学校校長)を講師にお迎えします。荒尾市立万田小学校で、今村隆教諭(万田小学校)による公開授業も行います。
みなで学び合いましょう。今回は初めての熊本県北部での開催です。福岡県からの参加もお待ちしています。申し込みはコクチーズからお願いします。
http://www.kokuchpro.com/event/b88192d9958e1cf3b4bee232e0c52fe3/

尚、台風の接近が心配されています。開催の判断は前日17時時点で行い、結果は開催の有無どちらでもホームページ上でお知らせいたします。

          子どもの学びに寄り添う
                    髙田実里(熊本大学教育学部附属小学校)
 ある日の5年生での外国語活動の授業。この年、初めて外国語活動の授業を経験する子どもたちを担任していました。やりとりするのに必要な英語の語彙や表現を、カルタのようなゲームを通して繰り返し聞いたり、声に出したりしながら、慣れ親しんでいく活動をした日のことです。授業後にあかねさん(仮名)が
「先生、もっと文字を書いてほしいです。声ばっかり聞いていても、何のことを言っているのか、ぜんぜん頭に入ってこない。絵だけじゃ覚えられないし。」
と声をかけてくれました。
 あかねさんは、構成をよく考えて文章を書いたり、漢字を覚えたりすることが得意で、文字を活用して思考したり理解したりすることに強みをもつ子どもでした。他教科の授業でも、自分の考えを書き表しながら思考を整理するところもあり、話し言葉で自分の考えを説明しようとすると、「ちょっと、まだ上手く言えません。」と言う場面もありました。また、どの教科でも丁寧にノートに記述し、理解度も高い子どもでした。外国語以外の学習では、文字を活用して記憶したり、考えを整理したりして、自分の得意な方略で学ぶことができていたのだと考えます。
 わたしは、あかねさんの言葉を受け、学級の他の子どもたちにも、「もう少しアルファベットが書いてあったら、思い出しやすい人いますか?」と尋ねました。学級の2〜3割くらいの子が、書いてほしいと答えました。それから、絵カードにはできるだけアルファベットの文字を添えました。
 また、板書には、文字とイラストを合わせて示すよう心がけました。そして、自分の生活経験と関連付けて英語表現を記憶して発音している子どもや、頭文字等の音をヒントに読み方を推測している子どもがいることを学級で共有するようにしました。
 
 「多様な学び方があるのが自然なことで、自分に合う方法を一緒に探していこう。」どの教科でも、このような考え方を子どもたちに語りかけるようになりました。
 上天草特産の車エビをALTに紹介しようと、子どもから英語でどう表現するのか尋ねられました。エビの写真と “Shrimp”という文字を添えて、子どもたちと一緒に発音しました。 “Shrimp”は子どもたちにとって、耳に馴染みのない音声表現でしたが、あかねさんは1週間後にもしっかり覚えていました。「もう覚えたんだね、すごい。この英語の言い方、どうやって覚えたの?」『先生、だってShrimp ってSから始まってるでしょ。だからシュッて感じ。それに最後がPだから、プッて感じだから、それがヒントっていうか。』こんな風に、子どもに自分の思考を言語化させるような問いかけをすることで、自分の学びやすい方略を自覚することや、他の友だちの考え方を知ることにもつながると思っています。
 多くの子どもにとって、外国語学習の入門期にあたる小学校段階。そこでの外国語活動の時間は、「音声を中心に」ということが現行の学習指導要領でも、そして次期学習指導要領でも明確に示されています。人間の言語習得の過程を考えても、おしゃべりを始める前には「音声」をシャワーのようにたくさん浴びて、その中で自分の欲求を満たしたり、家族とのやりとりがあったりして、言語表現の意味や機能を理解していくことは自然なことです。ですから、言語によるコミュニケーションの力を育てていくときに、まず「音声を中心とした」活動を豊富に経験することは、重要なことだと言えると思います。
 しかし、わたしたちはそのような「理論」と合わせて、子どもたちの事実を見とり、個々の学びのプロセスに寄り添う姿勢をもち続けたいものです。このあかねさんとのかかわりが教えてくれることは、「学び方はそれぞれ違う」「自分の学び方、得意な思考の道筋を自覚することの大切さ」ではないかと考えています。そのために教師ができること、すべきことは「この教え方がベスト」「このように学ぶはずだ」というフィルターにとらわれすぎないことではないか、と考えています。子どもと共に、「どんな方法が分かりやすかった?」「先生、こんな方法どうかな!」と考えを聴き合いながら、学習を進める構えをいつも忘れずにいたいと思います。

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