「授業UDの実践に挑戦」
園田
授業UDを知り、取り組み始めるにあたり、まず、環境づくりや刺激の軽減などから取り組んでいきました。また、いくつかの視点に注意をしながら授業づくりをしました。授業UDを考えることで、
・一人一人の児童を大切にすること
・全員参加の「わかる・できる授業」で自ら考え学び合う児童の育成
・どの児童にも学ぶ喜びを実感させること
ができると考えています。

〇授業UDを取り入れた、わかる授業づくりをめざして
① 授業に即した焦点化、視覚化などの工夫
児童のつまずきを想定した授業づくりを目指して、まずは「本時で子どもたちが何を学ぶのか」に位置する「授業のまとめ」を子どもの言葉で考えました。そこから遡って授業の山場をつくり、授業の流れをシンプルにして設計していきました。また、「視覚化」「動作化」「作業化」などを手立てとしていろいろな場面で行い児童の理解を促していくようにしました。

【授業づくりの考え方】
・本時の授業のまとめ
本時に身に付けて欲しい内容をできるだけ児童の具体的な言葉で考える。
・本時の山場での工夫
説明する内容を作り上げる活動を工夫する。本時での学習内容を身に付けるために必要な学習活動を工夫する。
・導入での工夫
授業の山場を想定し、その時に必要な既習事項、必要な言葉などをおさえる活動を工夫する。

② 配慮を要する児童の「支援のケースファイル」の作成と授業中の活用
気になる児童の授業中の様子やつまずき、有効だと思えた対応などを記録し、残していくためのケースファイルを作成して授業にいかしていきました。
例)答えを言いたくて、みんなの前ですぐ答えを言ってしまう。
→ 本人にはそっと担任にだけ自分の考えを言うようにし、よく考えたことを承認し、その上でルールを指導することで自尊感情を高めていくようにする。

【まとめ】

授業UDを目指した授業づくりを続けるようになり意欲的に学習に参加する児童が増えてきました。今後も続けていきたいと思います。

(文中の名前はすべて仮名です)


 通級指導教室を担当しているMです。最近ますます、一人一人の感覚には違いがあるなあと思っています。2事例紹介します。

ある日、太郎さんのプリントに目の前で丸付けをすると「先生、嫌〜」と言いました。目の前で⚪︎や×をつけるのが嫌かと思って聞いてみると「赤ペンが紙をこするシュッシュッという音が嫌」とのことです。耳を押さえています。どうもガラスをひっかく音と同じくらい嫌な音のようでした。それまで私はペンによる音の違いを気にしたことはありませんでした。「どのペンなら大丈夫かな」といろいろなペンを太郎さんと試してみました。「大丈夫」と言ってくれたのは赤鉛筆でした。今は太郎さんの学習の時は赤鉛筆で⚪︎付けをしています。

ある日、次郎さんが教室に来てすぐに「ん?先生、この前の時間は三郎さんの授業でしたか?」と言うので「なんでわかったの?」と聞くと「だって、三郎君のにおいがするよ」と教えてくれました。その感覚の鋭さに驚いてしまいました。

鋭い感覚は優れた能力とも言えますが、感覚過敏は彼らの生活を苦しくする場合もあります。私たち教師が、そういった感覚の違いがあることを知っておくことは授業のユニバーサルデザインを考える時にとても大事だと思います。(M)

 

くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会10回目の学習会は、初の菊池での開催です。本研究会代表の吉見和洋先生(御船中学校長)と下城秀樹先生(御船中学校)を講師に、授業のユニバーサルデザインの理論と実践について学んでいます。今回も様々な地域から多くの先生方に参加いただいています。

「授業UD」へのご招待

くまもと授業UD研究会 

代表  吉見 和洋

例年、東京・筑波大学附属小学校を会場に、全国から小中学校の先生約2000人以上が参加して開催される全国大会を主催する「授業のユニバーサルデザイン研究会」が、昨年1月に「日本授業UD学会」に衣替えしました。「研究会」から発展的に生まれ変わった教育研究のための学会です。

私たち「くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会」は、この「日本授業UD学会」の熊本支部として活動しています。平成27年1月に発足しました。これまでに仲間たちと学習会を重ねたり、全国大会に参加したりしながら、この熊本の地で7回の研究大会を開催し、毎回多くの教職員の皆様の御参加をいただき、研鑽を深めてきています。

この度、私たちのホームページにコラム欄を開設することになりました。「授業UD」に取り組む仲間たちが、定期的に「授業UD」に対する思いや理論、実践や書籍文献等の紹介などをしていきます。どうぞよろしくお願いします。

さて、このコラムの第1回として「授業UD」の定義を確認しておきましょう。日本授業UD学会では、「授業UD」を「学力の優劣や発達障害の有無にかかわらず、すべての子どもが楽しく『わかる・できる』ことを目指し、教科における工夫、様々な子どもへの配慮、個に特化した配慮を駆使して行う通常の学級における授業のデザイン」と定義しています。

いわば教科教育と特別支援教育の融合です。「授業UD」は、子どもの学びを阻害する多様な要因や子どもの状況を正しく理解し、その状況に最も適した指導方法を工夫することによって、すべての子どもの学びを保障しようとするものです。

そのため、学習を阻害するバリアになっているものと、その「バリアを除く14の工夫」を、階層図とともに「授業のUD化モデル」として示しています。実践の中から生まれた多様な「工夫」が、教科教育と特別支援教育の視点に基づいてこのモデルに理論的に整理されています。多くの実践者の追試を経て淘汰され、一般化されたものです。併せて、一斉指導における「指導の工夫」、「個別の配慮」、「個に特化した指導」という「三段構えの指導」も示されています。

「授業UD」は、特別支援教育の理念や理論を踏まえながら、これまで積み重ねられてきた教科教育研究を深め、子ども一人一人の学力を保障していこうとするものです。それは、「全ての子どもに楽しく『わかる・できる』を実感させたい」という良心的な教師の強い願いに支えられています。

「授業UD」は、形だけの「手立て」や「テクニック」ではありません。「日本授業UD学会」の桂聖理事長は、「授業UDは哲学である」と述べておられます。まさに「授業UD」は表面的な指導技術の集合体ではなく、「哲学」であり「マインド」なのです。

今、新学習指導要領への移行時期を迎え、これから「主体的・対話的で深い学び」の実現が求められています。「授業UD」は、全ての子どもを楽しく授業に参加させながら、習得・活用の段階を通して「主体的・対話的で深い学び」に導きます。「授業UD」は、今後求められる基礎的・汎用的能力の育成に有効な教育研究であり、教育方法論であり、実践論でもあるのです。

これから、このコラム欄で本研究会事務局員が、「授業UD」の具体的な理論や実践等について発信していきます。是非、一緒に「授業UD」を追究していきましょう。

本日の第8回学習会では、菊池哲平先生(熊本大学准教授)を講師に迎え、「授業のユニバーサルデザイン入門」というテーマのもと、授業のユニバーサルデザインの理論について学んでいます。今回もたくさんの先生方に参加して頂いています。

くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会は、年間で10回程度の学習会を行っています。

 

平成29年度のくまもと授業のユニバーサル研究会「学習会」は1年で11回の学習会を実施しました。

 学習会の計画

期日 開催会場 講師 内容等 申し込みURL
第6回 平成29年

5月16日
(火)

熊本市国際交流会館

熊本市

学習会A

髙田実里教諭(熊大附属小学校)

園田耕久教諭(慶徳小学校)

「外国語活動」と「算数」の実践発表に学ぶ授業のユニバーサルデザインの視点(実践発表) 第6回学習会 終了
第7回 平成29年

6月13日
(火)

大江公民館

熊本市

学習会B

前田康弘先生(熊本大学)

これからの学校教育を担う「教師の学び」(講話)

 

第7回学習会 終了
第8回 平成29年

7月25日
(火)

熊本市国際交流会館

熊本市

学習会A

菊池哲平先生(熊本大学)

授業のユニバーサルデザイン入門(理論研)

 

第8回学習会  

終了

第9回 平成29年8月1日
(火)
くまもと県民交流会館パレア

熊本市

学習会A

井上賞子先生(松江市立意東小学校教諭)

特別支援教育の視点から見る授業UD(講話・ワークショップ)

 

第9回学習会 終了

 

第10回 平成29年

8月22日
(火)

泗水公民館

菊池市

学習会A

吉見先生(御船中学校校長)

下城先生(御船中学校)

授業のユニバーサルデザインの理論と実践(理論研)

 

第10回学習会 終了

 

第11回 平成29年

9月26日
(火)

万田小学校

荒尾市

 

学習会B

研究チーム

第8回研究大会に向けて(事前研) 終了
第12

平成29年10月14日
(土)
熊本市西区西部公民館

 

学習会B

研究チーム

 

第8回研究大会に向けて(事前研) 終了
第13回 平成29年11月14日
(火)
熊本市

熊本市流通情報会館

 

学習会A

山田光太郎先生(熊本市立日吉小学校)

算数授業UDの実践発表とワークショップ   終了
第14回 平成29年12月12日 熊本市

若葉小学校

学習会B

皆吉美香先生(菊池市立旭志小学校)

国語の授業作りワークショップ『国語授業のユニバーサルデザイン』   終了
第15回 平成30年3月8日(木) 熊本市

熊本市東部公民館

学習会A

下城秀樹先生(御船中学校)

実践紹介と授業プレゼンテーション

教師のファシリテーションスキル

  終了
第16回 平成30年

3月20日

(火)

熊本市

マリエール神水苑

学習会B

吉見先生(御船中学校校長)

ミニ講話

授業のユニバーサルデザイン

終了

 

・学習会A(公開)の場合は,Facebook,HP,ML等で告知。(こくチーズで申し込み)学習会Bは非公開。

申し込み、問い合わせは、ud_kumamoto@outlook.jp        まで。

 

くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会10回目の学習会は、初の菊池での開催です。本研究会代表の吉見和洋先生(御船中学校⾧)と下城秀樹先生(御船中学校)を講師に、授業のユニバーサルデザインの理論と実践について学びたいと思います。
御船中学校は授業のUD について熊本の中でも先進的な研究を進められています。
授業にすぐ役立つ内容を学ぶことができる機会です。沢山のご参加をお待ちしています。

申し込みはこくチーズか、メールにてお願いします。

こくチーズURL http://www.kokuchpro.com/event/3a4a1641bae548f77ad7223c57600a07/

申し込みメール ud_kumamoto@outlook.jp  (お名前と所属を添えてください)

チラシのダウンロード 第10回学習会

たくさんのご参加をお待ちしています。

くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会9回目の学習会は、ICTをはじめ様々な支援教材を作成・実践をされ、「はじめの一歩」シリーズを出版されている井上賞子先生(松江市立意東小学校教諭)の講話を計画しています。特別支援教育の視点から、授業のUDの基本を見直す貴重な学習会になると思います。たくさんのご参加をお待ちしています。

    平成29年8月1日(火)くまもと県民交流館パレア会議室2

14:00 受付

14:30 開会

14:35 ① 講話 『今、目の前にいる子の「分かった」を目指して』~ 正しく繰り返すを支える ~

15:45 ② ワークショップ 『子どもの姿から、支援の視点をしぼりこむ』

16:25 諸連絡

16:30 閉会

講師:井上 賞子(松江市立意東小学校教諭)

島根県公立学校教諭。小学校の通常学級担任、通級指導教室担当を経て、平成19年度から特別支援学級を担任。特別支援教育士。特別支援教材「はじめのいっぽ」シリーズや、障害を持つ子どものためのモバイル端末活用事例研究「魔法のプロジェクト」など、多方面で活躍している。

QRコードからも入れます。

PDFデータはこちら → 第9回学習会

申し込みはこくチーズから  http://www.kokuchpro.com/event/03aacbcdb00ec0da8e48e36c9010cb8e/

または、本研究会メールに直接ご連絡ください(名前と所属の記入をお願いします。) ud_kumamoto@outlook.jp

 

 

くまもと授業のユニバーサルデザイン研究会8回目の学習会は、菊池哲平先生(熊本大学准教授)を講師に授業のユニバーサルデザインの理論について学びたいと思います。菊池先生は通常学級における特別支援教育の展開を進めるための様々な研究を重ねておられます。授業にすぐ役立つ内容を教えていただきます。沢山のご参加をお待ちしています。

※会場の住所に誤りがありましたので訂正しています。

QRコードからも申込できます。

こくチーズからの申し込みはこちら

http://www.kokuchpro.com/event/687cbb05139009e0822a388dec5145b8/

申し込みは6月1日から

PDFはこちらからダウンロード↓(印刷用にご利用ください)

第8回学習会

↑会場の住所に誤りがありましたので、訂正しています。

今日のくまもと授業のユニバーサルデザイン研究会第6回学習会は、高田実里先生(熊大附属小)の外国語活動と、園田耕久先生(慶徳小)の算数の実践発表を行います。数々の実践を積み重ねてこられた先生方から、「授業のユニバーサルデザインの視点」での授業実践について、みんなで学び、みんなで考えて行きたいと思います。

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