第35回学習会は「子どもたちがいきいきと学ぶ学級経営のユニバーサルデザイン」というテーマで、Zoomを用いたオンライン研修会を実施しました。

まず、熊本市立城北小学校の船方浩司先生から、「学級経営のユニバーサルデザイン~城北小学校での実践~」というテーマで発表をいただきました。「学級集団の育成」と「教師と子どもの信頼関係づくり」をキーワードに、全ての子どもたちが安心して過ごす事ができる学級環境をつくるためにどうすればよいのか、実践をもとにお話いただきました。子どもたちが主体となって作り上げられていく学級の様子や、その子どもたちの主体性を引き出す船方先生の温かく丁寧な取り組みから多くのことを学ばせていただきました。

次に、熊本市立黒髪小学校の有内文香先生から、「個を大切にし、つながり合う学級づくり」というテーマで発表をいただきました。有内先生は、これからの予測できない時代を生きていく子どもたちに必要な非認知能力を、学級活動を中心とした学級経営を通して高めようとされていました。学級会は、させっぱなしで終わるのではなく、視点を持って振り返ることで子どもたちの確かな力になることを改めて感じる事ができました。また、子どもたちを信じて思い切って任せてみることの大切さにも気づく事ができました。

三人目に、本研究会事務局の熊本市立帯山西小学校の小松丸瞭先生から「特別支援学級における学級会の実践~主体的に合意形成を図るための手立てと工夫~」というテーマで発表をいただきました。特別支援学級での学級会の実践という事で、子どもたちに提示する資料の色を工夫されたり、思考ツールを使って視覚的に捉えやすくしたりするなどの丁寧な取り組みが印象的でした。また、事前のアンケート結果などを用いて、話合いの決め手となるポイントが焦点化され、子どもたちが自然とそのポイントを意識して話合いをしている姿に驚きました。学級会の論点の焦点化の重要性を改めて感じる事ができました。

最後に、本研究会代表の熊本大学の菊池哲平先生から「人的環境のユニバーサルデザイン」というテーマでまとめをしていただきました。子どもたちが主体的に互いに学び合う集団になるための、教師のルールづくりの重要性などについてお話ししていただきました。話の中で、ペアトークの問題点についても話題にされました。ペアやグループ、学級会など、その学習形態をとるだけではなく、効果的に機能させるための声かけやルール作りを年度始めから丁寧に継続して行う必要性を感じる事ができました。

今回も前回同様に全国からたくさんの方々に参加をしていただきました。参加していただいた方々、本当にありがとうございました。今年度の本研究会の学習会は今日で最後となりました。今年度はオンラインでの研修がメインとなりましたが、その結果全国の多くの方々とつながることができました。学習会運営に携わっていただいた多くの先生方に感謝申し上げます。ありがとうございました。

来年度の学習会の情報に関しましては、決まり次第随時こちらのホームページからお知らせしたいと思います。来年度も、是非よろしくお願い致します。