熊本市立帯山西小学校 教諭 小松丸 瞭

 

新しい学校に移って、あっという間に2学期が終わろうとしています。今年度から初めて特別支援学級の担任をすることになり、新しい発見・学びの日々です。 今回コラムを書くにあたり、今年特別支援学級に入ったばかりだからこそ感じていることを授業のユニバーサルデザインの視点で振り返って見たいと思います。

「発問、指示は短く分かりやすく!」「話しすぎたらいかんよ。」と初任のころから口酸っぱく言われてきました。教師はよく話したがります。「いやいや自分は大丈夫。」と思っていても、授業研などで「先生があそこで話したのがもったいなかったな。」と、自分が意外と喋っていることにいつもビックリ。もちろん,これまでも意識はしてきましたが、特別支援学級の担任を受け持ってみて、この言葉の意味を改めて実感しています。例えば、良かれと思ってつい補足で説明を付け足すと、逆に分からなくなる。指示(説明)をしている際につい話を脱線させるようなことを言ってしまい、指示(説明)が分からなくなる。子どもの言葉をつないでいるつもりでも、他の聞いている子は意外とピンときていない。などなど、あれ?うまくいってないと、失敗する度にまたやってしまった…と反省しています。

振り返ってみると、これまではある程度の説明で、子ども達なりに私が意図することを読み取ってくれていました。しかし、特別支援学級の子ども達はとっても素直です。分からない時は「先生、分からーん。」と一刀両断。これではダメだと思い、以下のことを意識するようにしました。

○授業の始めには、必ず授業の見通しを持たせる手立てを施す。(これまではしたり、していなかったりしていたので…)

○言葉だけでなく視覚的に絵や図で説明する。

○言葉にメリハリ(抑揚)をつける。(引きつけたい時には、極端なくらいに)

○最後まで指示を聞いてから行動に移すことができるようにする。(何かをしている時に別の作業を伴うことを言わない。)

○分からないままの状態の子がいる時に、そのまま説明を続けない。

きっと気をつけないといけないことは、この他にもたくさんあると思いますが、まずはこれらを意識して日々の授業に取り組むようにしました。このような工夫(手立て)を行っていくと、少しずつですが、子ども達の授業に向かう集中力が伸びてきたように感じます。また,とても嬉しかったのが、授業中に子ども達が頷く回数が多くなったように感じられることです。多くの子にとっては,必ずなくてはならない支援ではないのかもしれません。しかし、この工夫(手立て)をすることで、間違いなく分かりやすくなる子どもがいる。教師の意識で変えられる、授業のユニバーサルデザインの第一歩を進み始めているように思います。